抄録
最近4カ年余に181例の乳癌手術症例を経験し,うち20例が触知不能乳癌(T0癌)であった.これらを分析し外来癌でのT0癌発見の手がかりを検討した.発見の契機として乳頭異常分泌(45%),乳腺症様愁訴(30%),乳癌術後の経過観察中(15%)があり,これらに対して画像診断を駆使すること,画像診断の特徴はMMG・US検査ともに腫瘤触知癌に比して癌特有所見の出現率は低い.とくにMMGでの非典型的微細石灰化像(42.1%), US検査の腫瘤所見の不揃い(33.3%)は看過し得ない所見である.非浸潤癌では一層この傾向が強くMMGでの非典型的微細石灰化像が診断の契機となった例が目立つ(4/9).画像診断では全く所見の得られない場合もあって,細胞診陰性の乳頭血性分泌症例の乳管造影・乳管内色素注入下の試験切除の実施,とくに潜血反応強陽性例で重要である.非浸潤癌であった場合は浸潤癌と比べてMMG・US検査の各所見がより一層不揃いであり,さらに種々検査を組合せての判断が必要であった.