抄録
教室で経験した副腎腫瘍36例を中心に内分泌活性腫瘍と内分泌非活性腫瘍について,その臨床所見,腫瘍の局在診断と治療の面から検討した.内分泌活性腫瘍(27例)は典型的な臨床症状を示すものが多く,内分泌非活性腫瘍(9例)のほとんど(7例)は腹部CTにて発見された症例であった.腫瘍の局在診断はCT, US, MRI,シンチグラフィー等により行われたが,原発性アルドステロン症の正診率はシンチグラフィーを除いて50~60%台と低値を示し,また腫瘍径別の検討でも2cm未満の腫瘍の正診率は50~60%台と低かった.内分泌活性腫瘍は全例手術が施行され,原発性アルドステロン症とCushing症候群はおもに後腹膜的到達法により,褐色細胞腫は経腹膜的到達法により行われたが,全例術後経過は良好であった.内分泌非活性腫瘍は9例中7例に手術を行ったが,画像診断による経過観察のみでよかったと思われる症例もあり,今後検討を要すると思われた.