日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌における膵頭十二指腸切除術の検討
松本 尚小西 孝司月岡 雄治大上 英夫谷屋 隆雄藪下 和久廣澤 久史黒田 吉隆辻 政彦三輪 淳夫
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1992 年 53 巻 7 号 p. 1540-1544

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抄録
過去10年間の当施設での胃癌の膵頭十二指腸切除(PD)症例について検討した. PD施行による根治性を十分に評価するためH0, P0の症例13例(以下PD例)を検討の対象とし,同じ時期に施行された胃下部癌のうちH0, P0, Stage 3, 4でPDが行われなかった例(以下非PD例) 103例と比較検討した. 5年生存率は,非PD例21%, PD例46%,膵浸潤のみられた症例ではPD例の5生率53%に対し,非PD例では3年以内に全例死亡していた(p<0.05).また再発形式をみると,リンパ節再発はBillroth I法の9%に対し, Billroth II法では21%であった.このためPD施行により十分な郭清の可能なNo.12, 13, 14, 17のリンパ節転移陽性例について予後を検討すると2年生存まではPD例で50%,非PD例で24%であった.以上の成績から胃下部癌に対しては術中に原発巣および転移リンパ節からの膵浸潤が疑われる症例やNo.12, 13, 14, 17リンパ節転移陽性例がPDの適応と考えた.
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