日本臨床外科医学会雑誌
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30歳未満の大腸癌症例における臨床病理学的検討
岡 正朗平澤 克敏内山 哲史稲葉 彰鈴木 敞
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1992 年 53 巻 7 号 p. 1545-1549

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抄録
大腸癌511例のうち30歳未満の若年者大腸癌10例(2%)を対象に,その臨床病理学的特徴および予後の検討を行った.性別では,男性が7例と優位を占め,占居部位では直腸が5例と最も多かった.また, 10例中4例に大腸腺腫症が合併しており,遺伝的素因が関与していると考えられた.組織学的には全例,分化型であった. H3 3例, P3 1例と遠隔転移率が高く,病悩期間が比較的短いにもかかわらず高度進行例(stage IV, Dukes C, Astler & Coller C2が6例)が多かったことから,若年者大腸癌の進行は早いと考えられた.切除不能2例を含めた全症例の5年生存率は30%,切除例40%と予後不良であった.一方,切除例をDukes B, Cの進行例(n=5)とDukes Aの早期例(n=3)にわけ検討すると,前者では4例が2年以内に再発死亡しているのに対して,深達度pm以下でn(-)の後者では全例無再発にて長期間生存中であることから,若年者大腸癌の予後は早期発見により改善されると予想された.
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