日本臨床外科医学会雑誌
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破裂性腹部大動脈瘤の外科治療成績
特に死亡症例の検討
池澤 輝男岩塚 靖松下 昌裕石橋 宏之桜井 恒久矢野 孝
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1992 年 53 巻 7 号 p. 1535-1539

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抄録
1985. 1~1990. 12の6年間に経験した破裂性腹部大動脈瘤19例(13.7%)の成績を待機手術例の成績と比較し,死亡率に影響を与える因子について検討した.年齢は57歳から86歳で平均67.5歳で,男17例,女2例であった. 11例(57.9%)はショック状態であった. 2例は臨床症状のみで, 17例はCTで診断した. 2例は術前及び術中に心停止となり人工血管移植前に台上死した. 16例にはY型人工血管を1例には腋窩大腿動脈バイパス術を施行した. 30日以内の手術死亡は5例(26.3%)で,さらに腸管瘻を伴った細菌性動脈瘤の1例と, MNMSを合併した1例は各々34日と72日に死亡し入院死亡率は36.8%であった.いずれも待機手術例に比し有意に高かった(0.8%:p<0.0001, 3.3%:p<0.005)手術死亡5例は循環動態の不安定と急性大量出血によるcoagulopathyが主たる原因であった.従って迅速な中枢側のコントロールとcoagulopathyに対処すれば死亡率は,限界はあるものの減少できよう.
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