抄録
最近の1年7カ月間に当科で経験した肝癌に対する皮下埋め込み型動注リザーバーによる間欠的反復化学療法症例について検討し以下の知見を得た.
1. 原発性肝癌および大腸癌肝転移症例に対して肝切除術後に動注療法を行うことは,残肝に手術時すでに存在する可能性のある微小転移巣のコントロールまたは新たな残肝再発を予防する意味において非常に有用な方法であると考えられた.
2. しかし,原発性肝癌および大腸癌肝転移手術不能例に対しての動注療法は,延命効果の面では充分満足できる結果を得られたが,腫瘍の結小効果のあるいは腫瘍マーカーからの検討では満足できる結果ではなかった.
3. 以上の結果より,手術不能の原発性あるいは転移性肝癌症例に対する動注療法については,その限界を見極めた上で, PEIT等と組合せた集学的な治療の必要性を痛感した.