日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
高齢者に発症した大腸型Crohn病の1例
清水 喜徳李 雨元李 雅弘安藤 進亀山 秀人村上 雅彦小池 正諸星 利男
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 7 号 p. 1654-1659

詳細
抄録
症例は71歳女性.左下腹部痛,水様性下痢を主訴に入院し,注腸造影検査,大腸内視鏡検査及び生検にて,横行結腸からS状結腸に病変が存在する大腸型Crohn病と診断した.入院後Salazopyrin, IVHによる内科的治療を開始したが, Salazopyrinによる薬疹が出現したためこれを中止し, Corticosteroid, Flazylを投与した.しかし, 2カ月間の内科的治療でも改善傾向がなく,頻回の下血を繰り返すため左半結腸切除術を施行した.摘出標本では,結腸漿膜面に異常はなく瘻孔形成もなかった.粘膜面はcobblestone appearanceが認められたのみであった.術後自覚症状は消失し, 3カ月後の注腸造影検査でも再発はなく退院した.高齢者に発症する大腸型Crohn病は極めて稀であり,また,下血といった症状の悪化をきたしたため,予備能力の低い高齢者であることを考慮して内科的治療に固守せず,外科的切除を行って治癒せしめることができた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top