抄録
微小甲状腺癌における超音波診断法の役割を見る目的で,摘出標本上1cm以下の甲状腺腫瘤13例(癌11例,腺腫2例)を対象とし,各種画像診断との比較,超音波画像と病理組織像との対比を行った.また,超音波画像上1cm以下の甲状腺腫瘤16例を対象とし,経過観察例の検討を行った.各種画像診断との比較では,超音波検査は正診率92.3%と最も微小甲状腺腫瘤の診断法では有用であった.病理組織標本との検討では,乳頭様構造の多い場合は腫瘤は内部エコーが低く,その中に点状高エコーの散在するものが多く,濾胞様構造の多い場合は内部エコーレベルの高いものが多い傾向がみられた.また,経過観察の検討から超音波検査にて良性と考えられるものは経過観察で良いと考え,悪性が考えられるものは,超音波ガイド下穿刺吸引細胞診を行い,外科的治療の方針を決定すべきと考えられた.