日本臨床外科医学会雑誌
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胃癌における腹部大動脈周囲リンパ節転移例の検討
梅野 寿実篠原 貫之鳥谷 裕春田 淳田中 伸之介光石 和夫池田 靖洋
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2047-2051

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抄録
91例の胃癌に腹部大動脈周囲リンパ節(No.16リンパ節)郭清を行い, 21例(23.1%)に転移がみられた. No.16転移症例の検討を行い同リンパ節郭清の適応を検索した.深達度ではm~ssまでにNo.16転移例は無く,転移例は全てse以上の症例であった.組織型では中分化,低分化腺癌,粘液癌例にNo.16転移がみられた. No.16転移例全てに1群, 2群リンパ節の転移がみられたが, 3群リンパ節は42.9%が転移陰性であった.また, No.16転移例のリンパ節転移度は転移陰性例に比して1群, 2群リンパ節ともに有意に高い転移度であった.転移例の予後は不良であったが,肉眼的漿膜浸潤がS2例,またはS0, S1でも2群リンパ節に転移がある例にてNo.16の一般的な郭清適応と思われた.しかし, No.16に多数転移がある例は郭清適応外とすべきで, 2群リンパ節の転移度はNo.16転移の参考となり得ると思われた.
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