日本臨床外科医学会雑誌
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十二指腸乳頭部癌の臨床病理学的検討
特にその進展様式と予後について
森 和弘永川 宅和竹田 利弥中野 達夫萱原 正都太田 哲生上野 桂一宮崎 逸夫
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2056-2061

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抄録
過去18年間に経験した乳頭部癌治癒切除例27例について,進展様式および治療成績について検討した. 27例の5年生存率は56.4%, 10年生存率は50.1%であった.肉眼形態では,腫瘤形成群の方が潰瘍形成群に比して予後良好である傾向を認めた.膵臓浸潤,十二指腸浸潤の進行とともに予後も不良となる傾向が認められた.リンパ節転移は,膵頭後部リンパ節,膵頭前部リンパ節と上腸間膜動脈周囲リンパ節に多かった.リンパ節転移陰性例に比し陽性例は有意に予後不良であった.しかし,積極的に上腸間膜動脈周囲を含めた拡大郭清を施行してきた結果,上腸間膜動脈周囲リンパ節転移陽性例の1例に長期生存例を認めるようになってきた.現時点では,上腸間膜動脈周囲リンパ節郭清を含めた膵頭十二指腸切除術を基本術式とすべきであると考えられた.
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