日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
誤嚥魚骨が十二指腸を穿通し後腹膜膿瘍を形成した1例
真田 正雄鈴木 秀塚本 剛志村 賢範外川 明加藤 厚平田 正雄
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 53 巻 9 号 p. 2159-2162

詳細
抄録
われわれは16年前に胃潰瘍にて胃切除術(Billroth I法)をうけた,臍周囲痛を主訴とする65歳,男性に対して,腹部単純X線写真および腹部CT検査より,誤嚥異物による十二指腸穿通にともなう後腹膜膿瘍と診断し,緊急手術にて救命しえたので報告した.手術は,上腹部正中切開にて開腹し,十二指腸下行脚後壁の穿孔と後腹膜膿瘍を認め,術中胃内視鏡検査にて残胃内に異物を確認し,胃切開術を施行して摘出した.摘出した異物は全長58mmの魚骨であり,本邦における誤嚥魚骨による消化管損傷症例中最大長であった.また誤嚥魚骨の十二指腸穿通による後腹膜膿瘍は,本邦2例目の報告であり非常に稀な症例であった.さらに誤嚥魚骨による消化管損傷をきたした本邦59報告例を検討したところ,誤嚥魚骨の大きさから,消化管損傷部位および形成される病巣の形態を推定することは困難であると思われた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top