日本臨床外科医学会雑誌
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S状結腸軸捻転症術後に粘液水腫昏睡による呼吸不全を呈した1例
佐藤 公司坂口 国隆金井 正男村田 貞史岡 敬三鴨井 博
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1992 年 53 巻 9 号 p. 2176-2180

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抄録
粘液水腫性昏睡は,甲状腺機能低下症が長期間治療されず放置された結果発症する進行性意識障害を主徴とした重篤な病態である.最近, S状結腸軸捻転症術後,本症による呼吸不全を呈した1例を経験したので報告する.症例: 79歳,女.下腹部膨満感を主訴として来院. S状結腸軸捻転症にて緊急開腹.術後麻酔覚醒遅延原因検索の為,内分泌機能検査を施行.原発性甲状腺機能低下症と診断.突然呼吸不全に陥ったが,甲状腺剤,副腎皮質ホルモン併用投与にて全身状態は安定化した.粘液水腫性昏睡は,外科治療の際遭遇することは極めてまれであるが,死亡率は50~80%と予後不良である.治療はまず本疾患の存在に気づくことであり,ただちに甲状腺剤投与を開始することである.術後麻酔覚醒遅延,呼吸不全を呈した症例には,本疾患の存在も考慮し,甲状腺機能検査を実施すべきである.
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