抄録
種々の病態を呈する末期癌患者50例に対し,新しい剤形の抗癌剤である活性炭吸着マイトマイシンCを投与した.今回,それらのうち効果判定可能な癌性腹水を呈した26例についてその効果を検討した.著効10例,有効2例,無効14例で奏効率は46.2%であった.奏効例の8例は6カ月以上生存した.
Performance Statusの改善は7例 (58.3%) にみられ,全例一時期退院した.疾患別では胃癌に有効で,なかでも未分化型, scirrhus typeに有効であった.副作用としては発熱,腹部症状など,また血液生化学検査では骨髄抑制,肝機能,腎機能異常などがみられたが,いずれも一過性であった.