日本臨床外科医学会雑誌
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小腸狭窄を伴った虚血性腸炎の1治験例
前田 史一東野 正幸木下 博明
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1993 年 54 巻 2 号 p. 440-445

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抄録
虚血性腸炎が小腸に発生することは少なく,それにより腸管の狭窄を起こすことは稀とされている.今回,われわれは虚血性腸炎が原因と思われる小腸狭窄の1例を経験したので報告する.
症例は77歳の女性で,既往歴に高血圧があり突然の嘔吐と腹部膨満で発症,来院時は麻痺性イレウスを呈し保存的治療にて軽快した.しかし4週間後再び嘔吐と熱発,腹部X線検査にて機械的イレウス像を示したため開腹した.手術所見では小腸の一部が境界明瞭な索状となっており,小腸部分切除を施行した.術後の病理組織学的検査では虚血性小腸炎と診断された.
狭窄型を来した虚血性小腸炎の1治験例および本邦報告例についてその特徴を報告する.
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