日本臨床外科医学会雑誌
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炭酸リチウムにより術前コントロールを行ったGraves病の1手術例
田中 克浩三木 仁司井上 洋行河野 宗夫都築 英雄駒木 幹正宇山 正門田 康正
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1994 年 55 巻 2 号 p. 351-354

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抄録
抗甲状腺剤で副作用を呈した患者に対して,術前炭酸リチウムを使用して安全に手術しえた1例を経験した. 17歳の女性. 1992年6月にGraves病を指摘され,メルカゾール, βプロッカーが投与されたが雄皮疹にてチウラジールに変更.しかし皮疹は増強し,炭酸リチウム600mg/日の投与を開始した.術直前,炭酸リチウム投与量は1,000mg/日であった.投与期間は3カ月におよびその間血中リチウム濃度は, 0.4~0.9mEq/lにコントロールした.投与中,甲状腺ホルモソ値の変動を若干認めたが,炭酸リチウムによる副作用は認められず, 12月7日安全に甲状腺亜全摘術を行うことができた.副作用のために従来の抗甲状腺剤の投与ができない患者には,炭酵リチウムの術前投与は有用であると思われた.
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