日本臨床外科医学会雑誌
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著明な石灰化を伴った食道平滑筋腫の1例
小川 明男早川 直和山本 英夫山本 清人森 直治金沢 英俊日比 茂人二村 雄次
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1995 年 56 巻 1 号 p. 59-64

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抄録
著明な石灰化を伴った食道平滑筋腫の1例を経験した.
症例は65歳男性.1993年7月,健診にて食道に圧排変形を指摘され当科入院となった.食道造影,内視鏡検査にて気管分岐部直下の食道前壁を中心に長さ3cmの隆起性病変を認めた.食道造影,CTにて病変部に一致して塊状の石灰化も認められた.超音波内視鏡検査では固有筋層由来の腫瘍が疑われた.腫瘍核出術を施行.摘出標本は硬く鞍状で大きさ4×3×1.5cmであった.病理組織学的検査で平滑筋腫と診断された.
石灰化を伴った食道平滑筋腫の本邦報告例は20例あったが,その発生部位は特徴的であり20例中9例が気管分岐部近傍の食道前壁に発生していた.
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