日本臨床外科医学会雑誌
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胸壁軟部組織原発悪性線維性組織球腫の1例
三好 和也松井 武志雁木 淳一和久 利彦
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1995 年 56 巻 4 号 p. 713-717

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抄録

症例は68歳女性.右前胸部の硬い腫瘤を主訴に来院し精査目的にて入院となった.胸部CT検査では第5肋骨に接して胸壁の内外に膨張性に増殖した腫瘍を認めた.Gascintigraphyでは腫瘤に一致して明らかな集積を認めた.術前の切開生検では確定診断をえられず,腫瘍縁から十分に離して,腫瘍を含んだ胸壁全層切除を行った.切除した標本の病理組織学的検索によりstriform-pleomorphic patternを示す悪性線維性組織球腫(Malignant Fibrous Histiocytoma, 以下MFHと略記)と診断された.MFHの好発部位は四肢とされ,胸壁軟部組織に原発するのは比較的まれである.本症例をふくめた22例の本邦報告例の集計とともに報告する.

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