日本臨床外科医学会雑誌
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腸重積にて発症した回腸myoepithelial hamartomaの2例
北川 雄一大塚 光二郎玉内 登志雄川合 正行山村 等神谷 欣志小山 芳雄
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キーワード: 腸重積症, 小腸過誤腫
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1995 年 56 巻 4 号 p. 762-766

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抄録

腸重積にて発症した回腸myoepithelial hamartomaの2例を経験したので報告する.(症例1)73歳,女性.1989年7月,胃癌(IIc類似進行癌, P0, H0, n3, M0)にて胃亜全摘・D2郭清施行.1990年8月14日,突然腹痛・腹満あり来院.拘絞性イレウスの診断で緊急手術を施行した.回腸末端より約40cm口側に径約3cmの粘膜下腫瘍を認め,同部を先進部とした腸重積となっていた.(症例2)1歳,女児.現病歴として2回の注腸整復を受けている.1993年2月16日,整復不能のため緊急手術を施行した.回腸末端より約30cm口側に径約1cmの粘膜下腫瘍を認め,同部を先進部とし上行結腸に至る腸重積を認めた.これら2症例の病理組織像は,腺管と平滑筋の腫瘍性増殖を認めたため, myoepitherial hamartomaと診断した.この組織型の病変は,小腸腫瘍の中でも報告例の少ないものである.

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