日本臨床外科医学会雑誌
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乳房に発生した原発性ならびに転移性扁平上皮癌の2例
瀧口 修司弥生 恵司古川 順康増田 慎三宇都宮 健弘天野 正弘関本 貢嗣立石 秀郎衣田 誠克丸山 博英岡村 純岡本 茂
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1996 年 57 巻 1 号 p. 67-71

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抄録
乳房に発生した扁平上皮癌を2例経験した.症例1は, 46歳女性の右乳房CD領域の1.0×1.0cmの腫瘤で組織学的には大部分が扁平上皮癌組織で1部に腺癌組織も認められたため乳腺原発扁平上皮癌と診断した.症例2は, 48歳女性で右乳房の1.9×1.5cmの腫瘤は組織学的には,純粋な扁平上皮癌であったが,既往に舌癌があったため転移性の腫瘍と診断した.腺癌成分の混在した乳腺の扁平上皮癌の場合には原発性と診断するのは容易であるが,扁平上皮癌成分のみの乳腺腫瘍の場合には,純粋型乳腺原発扁平上皮癌と転移性癌の鑑別は困難なことが多い.従って乳房より扁平上皮癌細胞を得た場合原発を考慮することのほか他臓器癌よりの転移も考慮にいれなければならない.
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