日本臨床外科医学会雑誌
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間膜軸性胃軸捻転症を伴った成人食道裂孔ヘルニアの1例
鷲尾 一浩黒住 要原 浩平
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1996 年 57 巻 10 号 p. 2445-2448

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抄録

症例は66歳男性,反復する嘔吐・心窩部痛等の上腹部症状を認めたため入院した.上部消化管造影等の検査より間膜軸性胃軸捻転症を伴った傍食道裂孔ヘルニアと診断した.手術時,十二指腸の後腹膜への固定が弛緩していたため,小網が先進部になり胃前庭部および十二指腸球部が網隔内に脱出し間膜軸性胃軸捻転症を来たしていたことが確認された.ヘルニア嚢還納・切除後,テフロンパッチを用いて食道裂孔を縫縮した.
本邦では胃軸捻転症を伴った成人食道裂孔ヘルニアの報告例は比較的少数である.間膜軸性胃軸捻転症を伴った成人食道裂孔ヘルニアの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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