日本臨床外科医学会雑誌
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魚骨による穿孔を来したMeckel憩室の1例
金子 猛儀賀 理暁小原 誠綿引 洋一北條 正久小坂 昭夫
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キーワード: 魚骨, Meckel憩室
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1997 年 58 巻 2 号 p. 398-401

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抄録

Meckel憩室は,出血,イレウス等の急性腹症を契機に発見されることが多いが,異物による合併症は少ないとされている.今回われわれは魚骨により穿孔したMeckel憩室の1例を経験した.症例は13歳男性.突然出現した下腹部痛を主訴に来院し,下腹部広範に圧痛,筋性防御,腹膜刺激症状を認めた.白血球数は14,200/mm3, CRPは0.3mg/dl以下であった.腹部単純レントゲンでは小腸ガスを回盲部に認め,腹部CTでは浮腫性の腸管を認めた.急性腹症の診断にて同日緊急開腹術を施行した.回腸末端より約55cm口側の回腸に先端がY字型のMeckel憩室を認め,その一方(肛門側)が魚骨により穿孔しており,憩室を含め回腸部分切除を施行した.病理組織学的に胃粘膜組織の迷入を認めたが潰瘍形成の所見もなく,穿孔にはその特異的な形態が関与したものと思われた.

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