1997 年 58 巻 2 号 p. 406-409
症例は29歳男性.昭和61年Behçet病と診断された.昭和63年1月13日,発熱,および腹痛を主訴とし入院.入院後筋性防御出現,腹部単純写真にて小腸のループ像認め,穿孔性腹膜炎の診断にて1月21日緊急開腹術を施行した.回腸末端より口側約150cmにわたり,腸管は浮腫状を呈し, 50cm, 80cmの部位に径約5~8mmの穿孔を認めた.約150cmにわたり回腸を切除した.切除標本にて6個の穿孔部と多数の潰瘍を認め, Behçet病による回腸穿孔と診断した.術後経過は良好で8年8カ月の現在再発を認めていない.