日本臨床外科学会雑誌
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膵リンパ管腫の1例
佐々木 英二秋田 幸彦北川 喜己橋本 瑞生佐藤 太一郎七野 滋彦
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1998 年 59 巻 1 号 p. 196-201

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抄録
今回,われわれは,膵原発のリンパ管腫の1切除例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は51歳男性.主訴なく, 1994年5月に会社の健康診断で肝機能異常を指摘された. US, CT, MRIなどにより,肝下面から上前腸骨棘の高さに至るまでの巨大な嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜原発の偽粘液腫あるいはリンパ管腫と術前診断し,同年7月29日開腹術を施行した.乳白色で軟らかい腫瘍が肝下面から右側腹部にかけて存在し,膵・十二指腸に強固に癒着していたため,手術は膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は大きさ190×165mmで,嚢胞状,内容は乳白色漿液性であった.病理組織学的にはリンパ管腫で,原発部位は膵と考えられた.
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