日本臨床外科学会雑誌
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虫垂穿孔にて発症した虫垂粘液腺腫の1例
斉藤 文良山下 巌森永 秀夫三浦 二三夫斉藤 寿一
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1998 年 59 巻 12 号 p. 3062-3065

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抄録

虫垂穿孔にて発症した虫垂嚢胞腺腫の1例を経験したので報告する.症例は50歳,女性.右下腹部痛を主訴に受診した.腋窩温は38.1度,直腸温38.5度であり,右下腹部に圧痛および筋性防御を認めた.入院時の血液検査では白血球数が10,000/mm3と高値を示したが, CRPは陰性であった.腹部超音波検査では回盲部周囲に少量の腹水を認めた.以上より急性虫垂炎と診断して手術を行った.虫垂の先端に嚢胞を認め,穿孔していたため虫垂切除術,ドレナージ術,周囲脂肪組織の切除を行った.病理組織所見では虫垂嚢胞腺腫の診断であった.術後1年間経過観察を行っているが,腹膜偽粘液腫は認めていない.

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