日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
後腹膜神経節細胞腫の1例
長瀬 通隆尾関 豊立山 健一郎今井 直基在原 文夫
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 59 巻 12 号 p. 3180-3183

詳細
抄録

今回われわれは両側副腎に発生した比較的稀な後腹膜神経節細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は29歳の男性で,腹痛のため近医を受診した. CT, MRIで18cm大の腫瘤を右副腎に認めた.腹腔動脈と上腸間膜動脈根部を巻き込んで発育しており,左副腎にも同様の腫瘍を認めた.生検の結果神経節細胞腫と診断された.腫瘍を部分切除したが,副腎機能温存のため左副腎を温存した.
神経節細胞腫は良性であるが,主要血管を巻き込んで発育することがあり,完全摘出が困難となる場合がある.術後は注意深い経過観察が必要である.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top