日本臨床外科学会雑誌
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発作性上室性頻拍を合併した食道裂孔ヘルニアの1例
衣笠 和洋安岡 俊介松田 恒則西山 範正
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1998 年 59 巻 7 号 p. 1825-1828

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抄録

症例は37歳の男性で主訴は心悸亢進.検診で頻脈を指摘され近医を受診,食道裂孔ヘルニアおよび発作性上室性頻拍と診断され,当院に紹介入院となった.胸部単純X線像で後縦隔に鏡面像を形成するガス像を認めた.上部消化管造影にて,いわゆるupside down stomachを呈する食道裂孔ヘルニアと診断された.種々の抗不整脈薬の投与にもかかわらず,発作性上室性頻拍による心悸亢進が改善されなかったため,開腹手術を施行した.手術は食道裂孔を縫縮し,さらに胃食道逆流防止のためNissen fundoplicationを追加した.術後経過は良好で,術後5年の現在ヘルニアの再発はなく,発作性上室性頻拍も認められない.

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