日本臨床外科学会雑誌
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椎体切除を必要とした肋間神経由来神経鞘腫の1例
寺田 俊明川野 亮二坂口 浩三葛城 直哉横田 俊也穴見 洋一池田 晋悟羽田 圓城
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1999 年 60 巻 10 号 p. 2623-2627

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抄録
椎体切除を必要とした肋間神経由来神経鞘腫の1切除例を経験した.症例は35歳男性.3年前より時々右側腹部の鈍痛を自覚していたが放置.会社の検診で胸部異常陰影を指摘されCTを施行したところ胸椎第10~11椎間孔に腫瘤陰影を認めたため,摘出目的に入院となった.手術は第8~12胸椎棘突起にかけてト字型に皮切を置く後方よりのアプローチにて第10, 11肋骨の一部を切除し,第10胸椎椎弓下半を削りとり硬膜を露出しながら腫瘤を摘出した.腫瘤は第10肋間神経由来の神経鞘腫であった.傍脊柱の神経原性腫瘍は末梢神経由来,神経節由来にかかわらず,椎間孔に嵌入しDumbbell型に発育することがあり,腫瘤の増大により脊髄圧迫症状が出現するため,早期発見,早期治療が必要であると考えられる.
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