日本臨床外科学会雑誌
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高齢者胃癌の術後に発生する呼吸器合併症の危険因子
国崎 主税山岡 博之高橋 正純野村 直人穂坂 則臣藤井 義郎森脇 義弘嶋田 紘
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1999 年 60 巻 2 号 p. 300-305

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抄録
高齢者(80歳以上)の胃癌術後の呼吸器合併症の危険因子を明らかにするため, D1またはD2の胃切除術を行った21例を対象とし,呼吸器合併症の有無(8:13)で2群に分類し,単因子解析およびステップワイズロジスティック解析で検討した.単因子解析による危険因子は%VC, VC/m2, FEV1.0/m2 (p<0.05) で,栄養指標であるNRIおよびperformance statusが傾向差を認めた.ステップワイズロジスティック解析ではY=1.184+0.186×curability-0.645×VC/m2+0.216×PSで表される判別式が得られ, cut off値を0.47とするとaccuracy 90.5%, sensitivity 90.5%, specificity 92.3%であった.術後呼吸器合併症予防のためには術前からのVCの改善を目的とした呼吸訓練とPS,進行度を勘案した合理的な術式の選択が必要である.
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