抄録
腸管型Behçet病の2手術症例を経験した.症例1は, 59歳男性で,体重減少,食思不振で発症し入院,口腔内アフタ,外陰部潰瘍を認めBehçet病と診断された.大腸内視鏡にて終末回腸の全周性潰瘍が認められ,回盲部切除術が施行された,その6ヵ月後に吻合部を中心に潰瘍再発をきたし内科的治療にて一時軽快,しかし, 7ヵ月後に潰瘍再燃し再切除術が施行された.症例2は, 44歳女性で,不全型Behçet病の診断で治療中,汎発性腹膜炎となり緊急手術が施行された.回腸から結腸にわたる多発性潰瘍穿孔が認められ,術中内視鏡にて漿膜側からは確認困難な小潰瘍を確認の上,切除範囲を決定し,腸管切除術を施行した.
結語.再発予防のため術中内視鏡にて微小病変を確認し切除範囲を決定すべきである.術後早期より,吻合部を中心とした小腸造影,大腸内視鏡によるfonow upが重要である.