1999 年 60 巻 6 号 p. 1449-1453
1990年1月から1996年12月までの6年間に腹膜播種性転移がP1に留まり,かつ肝転移がH1に留まる32例の腹部大動脈周囲リンパ節転移陽性胃癌を経験した.この32例を,術後5-FU持続/CDDP少量反復併用化学療法(5-FU 500mg/body/dayを5日間持続静注し, CDDP 5~10mg/body/dayを5日間連日,短時間で点滴静注)を施行した14例と非施行のコントロール群18例に分け術後生存期間を比較検討した. 5-FU/low dose CDDP療法群の再発生存2例を含めた50%生存期間は19カ月, 1年生存率は78%,コントロール群の50%生存期間は9カ月, 1年生存率は22%であった. Mann-WhitneyのUtestでもp<0.05でコントロール群に比して5-FU/low dose CDDP療法群の生存期間は延長していた. Grade 3以上の副作用は認められず, Grade 2の食欲低下が1例(7%), Grade 1の白血球減少(22%), GOT の上昇(22%),食欲低下(14%),全身倦怠感(14%)と副作用は軽微であった.