日本臨床外科学会雑誌
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Meshを用いたtension-free鼠径・大腿ヘルニア修復術109症例
大川 卓也井ノ口 幹人井石 秀明福成 博幸杉原 健一
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キーワード: 鼠径・大腿ヘルニア
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1999 年 60 巻 6 号 p. 1684-1687

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抄録

1996年3月より1998年4月までの26カ月間で,成人鼠径・大腿ヘルニア109例に対して行われたTension-freeヘルニア修復術について検討した.症例の内訳は外鼠径ヘルニア73例,内鼠径ヘルニア25例,内外鼠径ヘルニア4例,大腿ヘルニア7例であった.手術術式は全例 mesh plug+onlay graft 法で行った.手術時間は43±15分 (Mean±Standard deviation 以後M±SD),最近10症例では38±12分(M±SD)であった.術後の抗生剤は1996年11月より使用していないが, mesh感染例はなかった.術後合併症を19例に認め,そのうち13例が滲出液の貯留で,左内鼠径ヘルニアの再発も1例あった.また術後疾痛は軽く,術翌日の退院も可能であった.以上より,鼠径・大腿ヘルニア109症例に対しMeshを用いたtension-freeヘルニア修復術を施行したが,この術式は手術手技が容易で手術時間が短いうえ,術後の疾痛や突っ張り感も少なく,また再発率も低い優れた術式であると考えられた.

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