日本臨床外科学会雑誌
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中山間地域の一施設における胆石症および胆嚢炎に対する手術法の変遷
廣瀬 昌博渡部 祐司河内 寛治難波 康男山本 吉浩藤原 恒弘
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1999 年 60 巻 8 号 p. 2039-2043

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抄録
愛媛県の中山間地域に位置する町立野村病院(以下,当院)も1992年9月に第1例目の腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下, LC) を施行した.最近9年間の当院における胆石症および胆嚢炎症例82例(同期間の全身麻酔下手術症例320例)に対する手術法を検討し,以下のような結果・結論を得た.
(1)中山間地域に位置する当院でもLCは近年増加傾向にあり,全手術症例からみてその占める割合が大きい.また, 94年以降は予定手術に対しては全例, 96年以降胆嚢炎症例にもドレナージ後可能な限りLCを施行しており,胆石症・胆嚢炎症例に対する標準術式として定着している.
(2)当院のような施設では,急性胆嚢炎症例は高齢者に多く,しかも全身状態が悪いため,このような症例に対して,あえて危険を冒すことなくPTGBDやPTGBAなどのドレナージ後にLCを行うのが望ましいと思われる.
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