2000 年 61 巻 11 号 p. 2948-2951
症例は50歳,女性.平成7年6月検診の胸部単純X線写真にて異常陰影を指摘され,以後経過観察していたが,腫瘤影が除々に増大したため,平成11年8月開胸術を施行した.右肺下葉臓側胸膜から有茎性に連続する腫瘤を認めこれを切除した.病理学的に孤立性繊維性腫瘍solitary fibrous tumor (限局性繊維性胸膜中皮腫)と診断された.本腫瘍の起源については未だ議論もあるが間葉系細胞由来との説が有力で,免疫組織学的にはCD34が高率に陽性であることがわかっている.本例でもCD34が陽性であった.