日本臨床外科学会雑誌
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腹腔鏡下に診断しmesh plug法により修復した外膀胱上窩ヘルニアの1例
田中 弘之指宿 一彦山本 淳河野 通一中島 健谷口 正次古賀 和美
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2000 年 61 巻 12 号 p. 3360-3364

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抄録
今回われわれは,外膀胱上窩ヘルニアを腹腔鏡下に診断し, mesh plug法で修復した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は76歳,女性.主訴は右鼠径部腫瘤.全身麻酔下に腹腔鏡を挿入し気腹すると,ヘルニア門は右内側臍ヒダより内側に存在したため外膀胱上窩ヘルニアと診断し得たが,通常みられる円形の陥凹したヘルニア門と異なりスリット状を呈し,腹腔鏡下でも診断が困難であった.患者の希望のためmesh plug法にて修復し手術を終了した.術後経過は良好で術後1年経過した現在も再発は認めていない.外膀胱上窩ヘルニアは本症例を含め9例の報告がされているが,外膀胱上窩ヘルニアに対するmesh plug法の報告は本例が第1例目と思われるので報告する.
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