2000 年 61 巻 12 号 p. 3374-3377
症例は25歳女性. 2年前の卵巣嚢腫摘出術による癒着性イレウスを発症,右傍腹直筋切開による回腸部分切除術を施行した.術後は良好に経過していたが, 4カ月後にイレウスを再発した.胃管留置による保存的治療を開始後,第3病日の腹部単純レントゲン検査ならびに腹部単純CT検査にて腹腔内遊離ガス像を認め,同日,開復した.前回の吻合部近傍と口側腸管との癒着,閉塞を認めたが,腸管穿孔は認めなかった.浸水法によるleak test,術中上部消化管内視鏡検査でも穿孔はみられなかったのでイレウス解除術のみを施行した.術後経過は良好であった.イレウスに併発する気腹症に際してはイレウスの解除が肝要と考えられた.