日本臨床外科学会雑誌
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右結腸癌と左結腸癌の臨床病理学的差異についての検討
川崎 浩資豊田 昌夫奥田 準二渡辺 一三山本 哲久田中 慶太朗天上 俊之谷川 允彦
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2000 年 61 巻 4 号 p. 846-851

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抄録

右結腸癌と左結腸癌の臨床病理学的差異を知ることを目的に,多発癌を除く初発結腸癌手術症例620例を対象に検討を行った。対象のうち右結腸癌は269例,左結腸癌は351例であった。左結腸癌と右結腸癌を比較すると,右結腸癌には腫瘍径が大きいもの,組織学的には低分化腺癌,粘液癌,印環細胞癌などの分化度の低い癌が多く,また3群以遠のリンパ節転移,腹膜播種が高率を認められた.以上のような癌の生物学的特徴の違いを認めたが,組織学的病期,遠隔成績からみると,右結腸癌と左結腸癌との間には統計学的な有意差を認めなかった.

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