日本臨床外科学会雑誌
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経肛門的直腸内異物症例の臨床的検討
長谷川 誠和田 信昭井上 孝志安原 洋仲 秀司黒田 敏彦野尻 亨新川 弘樹藤田 尚久古谷 嘉隆
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2000 年 61 巻 4 号 p. 852-857

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抄録

1986年5月から1999年6月までの14年1ヵ月間に,当院に来院した経肛門的直腸内異物症9例と,本邦報告例55例について臨床的検討を加えた.
患者年齢は最小年齢15歳から最高年齢43歳で,平均年齢は29.6歳,性別では男性が7人,女性が2人であった.主訴では異物が7人,腹痛が2人で,来院する患者の中には異物挿入の事実を隠している場合もしばしば認められた.原因としては性的行為に関係している症例が8例と最も多かった.そのため患者は羞恥心から夜間当直帯に来院することが多かった.また繰り返し経肛門的直腸内異物で来院する症例も2例認められた.摘出は穿孔性腹膜炎を発生していた1例を除き経肛門的に摘出された.異物の種類ではスプレー缶2例,ハンガー・針金2例,試験管1例,瓶1例,バイブレーター1例,キセル1例,鉛筆1例,お菓子の容器1例となっていた.

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