2000 年 61 巻 5 号 p. 1315-1320
間葉性軟骨肉腫は比較的稀な悪性腫瘍であり, 1959年, Lichtenstein and Bersteinによって最初に報告され,現在までに約200例の報告をみる.今回われわれは後腹膜原発と考えられる間葉性軟骨肉腫の症例を経験したので報告する.症例は65歳男性であり,外科的切除の手術後約20カ月後に多発性の腹腔内再発にて死亡している.われわれの検索しえた範囲では,後腹膜原発の間葉性軟骨肉腫は現在までに5例の報告をみるのみである.本症例を含めて,現在までの報告例を検討すると,その予後は非常に不良であり,多剤併用の化学療法なども無効と思われ,予後の改善には,広範な外科切除が必要と思われる.