日本臨床外科学会雑誌
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総胆管拡張を伴った胆嚢管低位合流の1例
森屋 秀樹柳田 優子
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2000 年 61 巻 6 号 p. 1547-1551

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抄録
胆嚢管の走行や開口部にはvariationが多いが,胆嚢管が総胆管下部で合流するいわゆる胆嚢管低位合流に関する報告は少ない.総胆管拡張を伴った胆嚢管低位合流の1例を経験し,報告する.
79歳,女性.心窩部痛と発熱を主訴に来院.超音波検査で胆嚢腫大,総胆管拡張を認め胆管炎の診断で入院となる. ERCP, PTBDにより胆嚢管低位合流を認めたが,膵胆管合流異常は認めなかった.胆石,総胆管結石の診断で胆摘・総胆管切開・胆管ドレナージ術を施行した.肝内胆管の拡張は改善するも総胆管の拡張は残存し,本症例における総胆管拡張は,胆嚢管が低位合流することによる慢性胆汁うっ滞と考えられた.
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