日本臨床外科学会雑誌
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von Recklinghausen病患者の腹腔鏡下胆嚢摘出術中に発見された十二指腸GISTの1例
吉川 智道菅 優高坂 一山口 浩史木村 雅美福井 里佳井上 大成平田 公一
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2001 年 62 巻 1 号 p. 138-143

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抄録

症例は53歳,女性.既往歴, von Recklinghausen病(R病).平成10年4月21日腹痛を主訴に受診,胆石症の診断にて同年5月6日腹腔鏡下胆嚢摘出術施行.術中に十二指腸近傍に大網に埋もれる形で径1.5cmの腫瘤を認め術中穿刺生検を施行した.病理組織学的検索の結果,非上皮性腫瘍でCD34は陽性,平滑筋様構造を認めるがsmooth muscle actinは陰性でありGISTと診断された.術後の腹部CT検査にても十二指腸近傍に腫瘤の存在を確認した.患者の希望にて経過観察となり,確診時より1年4カ月後に開腹手術を施行した.腫瘍は十二指腸下行脚に存在し十二指腸局所切除を施行した.切除標本の病理組織学的検索にてGIST, uncommitted typeと診断された.従来よりR病に消化管非上皮性腫瘍合併の報告をみるが比較的新しい疾患概念であるGISTとしての検索を行った症例報告は少なく,当該症例は6例目である.

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