日本臨床外科学会雑誌
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長期無再発生存中の肝細胞癌術後頭蓋骨転移の1例
道清 勉吉川 澄藤井 眞川野 潔
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キーワード: 肝細胞癌, 頭蓋骨転移, 手術
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2001 年 62 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

肝細胞癌術後頭蓋骨転移に対して,腫瘍摘出術を行い,長期無再発生存中の1例を経験した.症例は59歳女性で,平成4年11月,肝細胞癌の診断で,肝S4亜区域切除を行った.平成6年2月頭蓋骨転移を認め,カルモフールの投与によって腫瘍は著明に縮小したが,副作用のためカルモフールを中止すると,急速に増大したため,平成8年12月腫瘍栄養動脈の塞栓後,頭蓋骨腫瘍摘出術を行った.その後,現在まで再発の徴候は認めていない.肝細胞癌骨転移の予後は一般に不良であるが,他に転移を認めない場合には,転移巣の切除も選択肢の1つであると思われる.

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