日本臨床外科学会雑誌
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胃癌からの大腸壁内転移の2例
長谷 泰司数井 啓蔵脇坂 好孝生田 圭司池田 雄祐竹原 めぐみ服部 淳夫
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キーワード: 胃癌, 大腸壁内転移
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2001 年 62 巻 10 号 p. 2403-2407

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抄録
胃癌切除術後の経過観察中に横行結腸転移をきたした1例と,胃癌発見時に盲腸転移を診断できた1例を経験した.症例1は1992年2月印環細胞癌にて胃亜全摘術を施行. 1997年10月嘔吐,腹痛出現し腸閉塞症の診断にて入院となった.脾彎曲部の大腸癌あるいは,胃癌の局所再発の診断にて横行結腸切除,膵尾部切除,脾部分切除を施行した.術後病理組織検査にて胃癌大腸転移と診断された.症例2は1999年11月他院にて胃癌と診断され当科紹介となり入院.入院後の大腸検査にて盲腸腫瘍が発見され胃癌の大腸転移と診断した.胃全摘術,回盲部切除を施行した.術後病理組織検査にて胃癌大腸転移と診断された.胃癌大腸転移は比較的稀な疾患であり切除可能な症例は少ない.今回切除できた2例を経験したが,術前および術後の大腸検索は必要であると考えられた.
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