日本臨床外科学会雑誌
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二次性上皮小体機能亢進症における過剰,過少および異所性上皮小体の検討
内藤 明広川原 勝彦岩田 宏安藤 由明羽田 裕司
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2859-2864

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抄録

二次性上皮小体機能亢進症は,慢性腎不全の合併症として大きな位置を占め,透析技術の進歩に伴い長期生存の透析患者が増加するのに伴い,症例数も徐々に増加している.われわれは当院の症例をもとに,上皮小体の数および位置異常について検討した.
1989年1月から2000年12月までの間に当院外科で治療した二次性上皮小体機能亢進症全83症例中, 9例(10.8%)で過剰上皮小体例, 11例(13.3%)で過少上皮小体例, 8例(9.6%)で異所性上皮小体を認めた.剖検例をもととした正書の記載に比し,上皮小体の数および部位異常の頻度が明らかに高いと思われた.また,異所性上皮小体の診断としてCT, scintigramの画像診断が有用であると思われ,術前にこれらの検査の施行は必須と思われた.

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