日本臨床外科学会雑誌
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再弁置換術の検討
泉山 修長谷川 正
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2865-2869

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抄録

いかなる人工弁においても弁置換術後の種々の合併症により,再弁置換術を余儀なくされることがある.当科で過去11年間に12例の再弁置換術を経験したので報告する.再弁置換術の適応は,機械弁AVR後の血栓症が2例,機械弁AVR後の開放制限が2例,生体弁MVR後の生体弁機能不全症が5例,機械弁MVR後の血栓症が2例,機械弁TVR後の血栓症が1例であった.再弁置換術の人工弁としては大動脈弁位と三尖弁位SJM弁血栓症の2例に対しては生体弁を用いたが,他はSJM弁を用いた.ショック状態で搬送された機械弁MVR後の血栓症に対して, IABPおよびPCPS下に緊急手術を施行したが, MOFにて病院死した.他の11例は独歩退院した.術前状態の良好な再弁置換術は安全に施行可能である.また,弁置換術後は注意深い経過観察による合併症の早期発見が重要である.

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