日本臨床外科学会雑誌
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von Recklinghausen病に合併した肺扁平上皮癌の1例
四方 裕夫上田 善道土島 秀次野中 利通渡邊 洋宇松原 純一
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2896-2899

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抄録

von Recklinghausen病は多発性の神経線維腫と皮膚色素斑を主徴とする常染色体優性遺伝の疾患である.合併する悪性腫瘍として神経線維肉腫,悪性神経鞘腫などの非上皮性悪性腫瘍は散見されるが,上皮性悪性腫瘍中でも肺癌の報告は少ないとされる. von Recklinghausen病の51歳男性が,拡張型心筋症を疑わせる心陰影拡大と心房細動で加療中,血痰と咳漱を主訴とし来院.胸部X線写真で右肺上葉に空洞を有する異常陰影を認めた.胸部CTでは空洞壁は厚く不整で空洞性腫瘍を疑わせた.開胸生検を行い扁平上皮癌と診断を得て右上葉切除を行った.広範な胸壁浸潤が認められたため,非完全切除となり術後放射線療法を追加した. von Recklinghausen病に合併した肺扁平上皮癌を経験し,他の33例の本邦報告と合わせ検討した.

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