日本臨床外科学会雑誌
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上部消化管出血を合併した仮性膵嚢胞胃穿通に対して胃全摘術を施行した1例
志田 敦男山寺 仁中林 幸夫石田 祐一穴澤 貞夫山崎 洋次
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2900-2904

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抄録

症例は48歳,男性.平成11年1月より咳漱,発熱が出現し次第に呼吸困難も出現し, 2月17日に当院へ紹介され入院した.来院時胸部単純X線写真で左胸水を認め,腹部CTで直径6cm大の仮性膵嚢胞を認めた.血液生化学的検査で,慢性膵炎急性増悪と診断し保存的に治療していたところ,第20病日に突然吐血し,胃内視鏡下止血術を試みたものの止血できず緊急開腹手術を施行した.術中に仮性膵嚢胞の胃穿通を確認し,胃全摘術を施行した.
慢性膵炎に合併した仮性膵嚢胞の報告は多いが上部消化管大量出血に至る胃穿通を生じた報告は少ない.

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