日本臨床外科学会雑誌
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胃原発巨大gastrointestinal autonomic nerve tumor (GANT)の1例
中村 俊幸牧内 明子前澤 毅安達 亙
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2905-2908

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抄録

症例は81歳の男性.上腹部痛を主訴に2000年6月10日に当院を受診した.腹部触診にて右上腹部全体に巨大な腫瘤を認め,同年6月12日入院となった.上部消化管内視鏡では胃体下部後壁に粘膜下腫瘍を認めた.腹部CT,腹部MRI検査で胃の後壁から連続する巨大な腫瘍を認め,血管造影では主に左胃動脈,左右胃大網動脈に栄養されていた.経皮的に行った穿刺吸引細胞診ではclass III,筋原性または神経原性の間葉系腫瘍が疑われた.以上より胃原発の粘膜下腫瘍と診断し手術を施行した.腫瘍は胃後壁から発生した粘膜下腫瘍であり,左上腹部全体を占めていた.横行結腸間膜の一部に腫瘍の浸潤を認めたため,胃部分切除および横行結腸部分切除を行った.病理組織検査にてgastrointestinal autonomic nerve tumorと診断された.

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