日本臨床外科学会雑誌
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術前に脾穿通と診断しえた胃癌の1例
谷 明夫伊藤 幹也首藤 邦昭橘 正人
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キーワード: 脾穿通, 胃癌
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2001 年 62 巻 12 号 p. 2931-2934

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抄録

術前に診断可能であり,手術可能であった胃癌の脾穿通の症例報告は稀である.われわれは胃癌の脾穿通の1例を経験し,術前に単純CTで診断しえたので報告する.症例は60歳男性で,食欲不振と体重減少にて当院を受診.初診時, Hb7.5g/dlと高度の貧血を認めた.胃内視鏡検査にて胃体上部後壁のBorrmann III型の進行胃癌と診断した.術前のCT検査で脾臓の空洞化を認めニボー像を有したため脾穿通と診断しえた.膵尾脾切除,左横隔膜部分切除を伴う胃全摘術を行い,術後は良好に経過した.

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