日本臨床外科学会雑誌
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皮下吊り上げ式腹腔鏡下に摘出しえた感染性尿膜管遺残症の1例
小野田 敏尚木許 健生鈴木 喜雅殿元 康仁新田 晋内田 正昭
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2001 年 62 巻 2 号 p. 529-533

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抄録
尿膜管遺残症に対して皮下吊り上げ式腹腔鏡下尿膜管遺残摘出術を施行した.症例は23歳女性,臍部痛を主訴に当院を受診した.当初,臍炎の診断で切開排膿および抗生剤の投与を施行したが軽快せず,腹部超音波検査,腹部CT検査で`臍直下から膀胱方向に伸びる索状物が認められたため,感染性尿膜管遺残症と診断され,手術目的で入院となった.
術中尿膜管は容易に確認でき,尿膜管と膀胱頂部の移行部を切断,これを剥離摘出した.手術時間は130分,出血はごく少量であった.術後経過は良好で,術後8日目に退院となった.
尿膜管遺残症は比較的稀で,感染や悪性化することがあり摘出が望ましい.今回われわれは,皮下吊り上げ法による腹腔鏡下尿膜管遺残摘出術を1例経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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