日本臨床外科学会雑誌
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急性骨髄性白血病に合併した壊死型虚血性大腸炎の1例
中瀬 有遠北川 昌洋海老原 良昌安岡 利恵増山 守加藤 誠米山 千尋渡辺 信介
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2001 年 62 巻 3 号 p. 713-717

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抄録

症例は37歳,男性.腹痛がしだいに増強するために近医を受診し,汎発性腹膜炎を疑われ当院を紹介された.腹部膨満と右腹部の圧痛,筋性防御を認めた.血液検査,腹部CTなどから上行結腸炎による汎発性腹膜炎と敗血症性ショック,続発性汎血球減少症,播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断し,緊急開腹術を施行した.上行結腸は壊死性変化を示しており,右半結腸切除術を施行した.病理検査にて壊死型虚血性大腸炎と診断した.全身状態が改善した後に精査を行い急性骨髄性白血病と診断され,化学療法を施行中である.本症の発症については血管病変以外にもDICによる微小血栓形成が虚血の原因となるとする報告もある.自験例は急性骨髄性白血病の増悪にともないDICとなり,微小循環障害のひとつとして発症した可能性があり,興味のある症例と考えられた.

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